白干梅
一説によると、紀元前には存在していたといわれる梅干。もともとは食物ではなく薬として重宝されていましたが、やがて保存食として普及していき、現在では味にも多様性が生まれています。しかし、ここ数年は、梅と塩だけで作った昔ながらの「白干梅」が高い人気を集めており、ときには入手困難になることも。
人気の理由は、なによりもシンプルで奥深い味。目が覚めるほどの酸味は、梅干を想像したとき口中に蘇る味に近く、梅干を食べたという満足感も得られます。もうひとつの理由は、料理の素材として使う方が増えていること。インターネットで様々なレシピを参照できることから、外食よりも自炊を楽しむ傾向が強まっており、梅干を用いた料理を作る際には、味のはっきりした白干梅が好まれるようです。
梅の郷である石神地区でも白干梅は人気者。 「梅と塩だけでできているから余計な味が混ざることもありません。だから料理にも使いやすいんです」 そう語りながら石神のお母さんたちが作ってくれたオリジナルメニューは酸っぱいものから甘いものまで、同じ白干梅を用いたとは思えないほど、味わい豊か。ふとしたおしゃべりから新メニューのアイデアが生まれることもあるとか。
そのまま食べても食味抜群、お茶漬けや焼酎との相性も良い白干梅。ご自宅用とギフト用、どちらも同じ白干梅を選び、次に会うときには親しいあの方とレシピの交換会、なんて楽しみ方もおすすめです。どこか懐かしく、だけど鮮烈な、梅干本来のおいしさをご堪能ください。
梅干といえば、やっぱりおにぎり。梅のおいしさをしっかり味わいたいのなら、白干梅がいちばんです。冷えてもおいしいので、お弁当にもおすすめ。受験生の夜食にも人気です。
梅干をすりつぶしてディップにすれば、生野菜もさらにおいしく。野菜嫌いなお子様にも好評です。
紀州では、匂い消しのため、魚の煮付けに梅干を入れます。酸にはタンパク質を固める性質もあるので、煮崩れしにくくなる利点も。サバ以外のお魚でもお試しください。
- ・生サバ 1尾分
- ・白干梅 2〜3個
- ・しょうが（適量／千切り・針しょうがの2種類）
- ★調味料（砂糖・酒・みりん／各適量）
- 白干梅は半分量を梅肉だけにして、つぶしておく。
- ★の調味料と梅干と梅肉、しょうがの千切りを 鍋に入れて沸騰させた後、魚を入れ再び煮る。
- みりんを加えながら味をととのえる。
- お皿に盛りつけたら、針しょうがをのせて完成。
梅肉をペーストがわりに塗れば、定番のグリルチキンもひと味違ったおいしさに。さっぱりとした梅の風味が効いて、食欲を刺激します。石神のこどもたちにも人気です。
- ・とりもも肉 2枚／約600g
- ・白干梅肉 40g
- 白干梅を梅肉だけにしておく。
- 厚みが均等になるよう肉に包丁を入れ、両面に梅肉を塗る。
- グリルで焼いて完成。
そのままだと、しょっぱすぎる。塩分を減らしたい。そんなときは、塩抜きがおすすめ。
ご家庭で簡単にできるから、あなただけの「いい塩梅」でお召し上がりください。
- 白干梅をボウル等の容器に入れ、水に浸します。
- 30分〜8時間ほど、味を見ながら塩加減を調整。お気に入りの味になったら、
水気を切ります。 - 冷暗所で保存し、お早めにお召上がりください。
※塩抜き後はいたみやすくなるのでご注意ください。
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