梅干しとうなぎの食べ合わせは悪い?
実は、理想的な食べ合わせかも?
梅干と鰻の食べ合わせは、
体に良い!
石神邑おすすめの梅干し
梅干と鰻の食べ合わせは、
体に良い!
「悪い食べ合わせ」と聞いて思い浮かぶ「梅干しと鰻(うなぎ)」ですが、近年、この常識が変わりつつあるそうです。
「むしろ理想的な食べ合わせ」なんて意見も聞かれるように。
梅干屋としても気になるこの問題について、徹底的に調べてみました。
まずは、梅干しと鰻(うなぎ)、それぞれの特徴をおさらいしてみましょう。
梅干しの特徴は、なんといっても酸っぱさ。漬け方や調味によって酸っぱさにも段階がありますが、「酸っぱくなければ梅干じゃない」といっても過言ではないくらい、酸味が最大の特徴です。
梅干しの酸味には食欲増進や消化促進といった働きがあり、ごはんのおともだけでなく、脂っこい料理を食べた際のお口直しとしても活躍します。
一方、鰻(うなぎ)といえば「精がつく」「スタミナ満点」といった言葉がくっついてくるように、栄養価の高さは皆さんご存知のとおり。
食べたあとで脂っぽさが口に残ることがありますが、これは良質な脂質である「多価不飽和脂肪酸」によるもの。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用があるらしく、体に悪いわけではなさそうですが、あと味の脂っぽさが苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
筆者自身、なんとなく梅干しと鰻(うなぎ)をいっしょに食べないよう避けてきた人生ですが、あらためて考えてみると、このふたつ、相性悪くなさそうです。
ちょっと想像してみましょう。梅干しと鰻(うなぎ)がある食卓。
タレのたっぷりついた鰻を、まずはひとくち。香ばしく、やわらかな味わいを堪能したあと、梅干しを口にふくめば、脂っぽさが消えてさわやかに。消化促進の効果もあるので、胃もたれの心配もなさそうです。
あらためて考えてみても、食事として味わうには問題ない気がします、この組み合わせ。
ということはもしかして、梅干しの栄養素と鰻の栄養素が喧嘩しちゃうような、医学的な理由があるのでしょうか?栄養学・医学的な食べ合わせは
問題なし
実は「鰻と梅干」の食べ合わせは、栄養的・医学的にまったく問題はなく、むしろ理にかなった相性の良い組み合わせなんです。
鰻に含まれる栄養素は、ビタミンA、B群、D、E、ミネラル(鉄、亜鉛、カルシウム)など、人体が必要とするものがどっさり豊富で、疲労回復にも効果が期待できることから、夏バテ防止を目的に食べるという方も多いでしょう。
梅干の栄養素では、酸っぱさのもとであるクエン酸がよく知られています。疲れの原因となる乳酸を分解する作用があり、こちらも疲労回復、夏バテ防止に効果ありといわれます。食中毒防止にもなるので、夏のお弁当に梅干を1粒入れるのは本当におすすめ。
驚いたことに、クエン酸はビタミンB群といっしょに摂ることでエネルギーの代謝効率をあげるそう。
ということはつまり、「梅干のクエン酸+鰻のビタミンB群」はマイナスどころか相乗効果を生む、ってことです。
ちょっと話が逸れますが、土用には「う」から始まる食べ物がよいと、昔からいわれてきました。
梅干。鰻。ほかに瓜、牛、うどんがあります。これらはどれも夏バテ防止に役立つもので、医学的見地からも「悪い食べ合わせ」といった指摘はなさそうです。
栄養学・医学的に問題がないのであれば、「梅干と鰻」にまつわる食べ合わせNG説は「迷信」といっていいのかもしれません。
では、いったいどうしてそんな迷信が広まり、定着したのでしょうか?
迷信が生まれた
背景とは?
梅干と鰻をいっしょに食べるのは駄目。そう言われるようになった理由には、いくつかの説があるそうです。
なかでも「なるほど」と納得させられるのは、「胃腸への負担を減らすため」という説です。
昔は、鰻の脂っこさと梅干しの酸味が胃腸を刺激し合い、消化不良を起こすと考えられていたようです。
酸味の強いものも脂っぽいものも、食べると胃腸に負担をかけることになります。
片方ならまだしも、両方いっぺんに食べるなんてもってのほか。
そんな気遣いが「いっしょに食べてはならない」という教えにつながったのかもしれません。
特に夏場は冷たいものを食べたり飲んだりする機会も多く、それだけで胃腸が弱りがちな季節です。そんなところに「梅干と鰻」がタッグを組んで乱入すれば、お腹の具合が悪くなるのは想像に難くありません。
その他の説で、贅沢を戒めるための方便だった、というものも。
梅干の酸味が食欲を増進させ、消化も助けてくれるからといって、高級な鰻をどんどん食べられてしまっては困る、ということのようです。
どれが正解かはわからないものの、食べ過ぎへの注意喚起が根底にあるのは間違いなさそうです。
「そんなの迷信だよ」と一蹴するのではなく、体を気遣う先人の知恵として受け取るのが正しい向き合い方といえそうですね。
味については
個人の好み
「悪い食べ合わせ」といわれるようになった背景はわかりましたが、どんな料理でも、最後に問題になるのは好みかどうか。
「梅干と鰻」をいっしょに食べることで、それぞれのおいしさが半減するのであれば、こんなにもったいない話はありません。べつべつに楽しんだほうがいいに決まっています。
こればっかりは個々人の好みにかかわるので、「この梅干が合う!」と断言するのは難しいのですが、弊社であれこれ食べ比べ、票を取ったところ「うす塩味梅干と鰻」の相性が抜群、という結果になりました。
皆さんも古い言い伝えはいったん脇において、今年の土用丑の日には鰻とともに梅干を用意してみてはいかがでしょうか。
本当に悪い食べ合わせを
紹介します!
「梅干と鰻」について調べるうちに、ほかの「悪い食べ合わせ」はどうなんだろう、と
興味が出てきたので調べてみました。
スイカと天ぷら
90%以上が水分でできているスイカには、体を冷やす作用があるそうです。体が冷えると胃の働きが鈍くなり、スイカの食べ過ぎで胃液が薄くなる恐れもあるとか。また、脂質の多い天ぷらは消化に時間がかかるといわれています。消化機能を低下させるスイカと、消化に負担がかかる天ぷらの組み合わせ、胃の弱い方はとくに避けたほうがよさそうです。
蟹と柿
低カロリーで高タンパクの蟹ですが、鮮度が落ちるスピードが早く、体を冷やす効果があるそうです。 柿も同様に体を冷やし、消化しにくい食べ物として知られています。 蟹も柿も秋から冬の寒くなるころに旬を迎えるので、冷え性の方とっては避けたほうがいい食べ合わせといえそうです。
キュウリとトマト
野菜サラダでいっしょに入っているところを見かけるキュウリとトマトですが、実は食べ合わせの面で少々問題があるそう。 キュウリに含まれるアスコルビナーゼという酵素は、ビタミンCを酸化させる働きがあります。 トマトの豊富なビタミンCが、キュウリといっしょに食すことで無駄になってしまう、というわけです。
梅干しと鰻の食べ合わせ
まとめ
食べ合わせに関する調査結果、いかがでしたでしょうか。
幼いころから「梅干と鰻はいっしょに食べちゃ駄目だよ」と教えられてきたので、今回の調査にあたって実際に食べ合わせを試す際にちょっと緊張しましたが、梅干も鰻もどちらもおいしくて、気づけば用意していたぶんをぺろりと完食していました。
いかんいかん、先人の真意を忘れて食べすぎてしまうところだった、と反省しつつ、つぎに鰻を食べるときにも梅干を用意しようと思いました。
鰻といっしょに食べてもおいしい石神邑の梅干。ご用命は石神邑オンラインショップへ。
- ●鰻についての出典/農林水産省Webサイト
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1607/spe2_01.html - ●梅干に関しては石神邑が独自に調べたものです