【梅干し専門店が解説】
梅干しの賞味期限と正しい保存方法について！
梅干しの賞味期限と保存方法について
石神邑おすすめの梅干し
梅干しの賞味期限と
保存方法について
市販されている梅干しの賞味期限は、開封前でおおよそ3か月～6か月程度です。
開封済みで冷蔵保存をしている場合は、明確な賞味期限はなく、「開封後できるだけ早く食べきる」ことが推奨されています。
また、市販の梅干しの中でも、減塩タイプは2週間程度、塩分の濃い梅干しだと1年以上が賞味期限とされています。
この記事では、塩分濃度による賞味期限の違いについて解説していきます。
梅干しの賞味期限は「塩分濃度」や
製品によって違う
梅干しの賞味期限は3つの要素で決まります。
塩分濃度、水分、酸度のバランス。
ついつい声に出して読みたくなるリズムです。塩分濃度、水分、酸度のバランス。
一般的に塩分濃度が少なければ少ないほど、賞味期限も短くなります。逆にいえば、塩分濃度を増やせば賞味期限も延びるということ。だから昔のしょっぱい梅干しは保存食として重宝されたんですね。
最近は、販売されている梅干しの多くが6ヶ月程度の賞味期限に設定されているようです。塩だけでなく、日持向上剤と呼ばれるものを用いることで、低塩と保存性の両方を実現しています。
ちなみに石神邑の「五穀酢仕立て」や「邑咲」は、添加物の力ではなく、お酢の配合率を高めることで賞味期限の延伸をかなえています。
お酢。つまり、水分と酸度ですね。
塩分濃度、水分、酸度のバランス。ここテストに出るぞー、って先生が言ってそうですけど、テストには出ません。
豆知識としておぼえておくと、ちょっとだけ自慢できるかもしれません。
塩分濃度20%の場合
昔ながらのしょっぱい梅干しは塩分濃度20%程度といわれています。
塩分濃度20%って、全体の1/5が塩かしら……。
新人のころはそんな勘違いもしましたが、いまは違います。プロですから。
塩分量はナトリウム量を食塩相当量に変換して求められます。計算式はこちら。
ナトリウム量（mg）×2.54÷1000＝食塩相当量（g）
うん。プロですけど計算は苦手なので、塩分濃度20%＝かなりしょっぱい、ということで話を進めましょう。
塩分濃度20%だと1年以上保ちますが、長く保存しておくと果肉がグミのようにかたくなり、塩の結晶もできて、通常食には不向きに。ときどきメディアで紹介される「江戸時代の梅干し」も食べられないわけではないですが、味の面では、うむむ、となりそうですね。
塩分濃度8%の場合
では問題。低塩タイプとは塩分濃度何%以下の梅干しでしょうか。
正解は8%以下！
当社でいちばん人気の「うす塩味梅干」が、まさに塩分濃度8%。ほどよい塩気と酸味を楽しめるうえに塩分控えめという、納得のおいしさです。賞味期限は6ヵ月。
ちなみに、梅干しの賞味期限についてプロっぽく表現すると、「塩度や酸度の成分が保たれ、食味におおきな変化がない期間」ということになります。
調味梅干しの場合
調味梅干しとは、砂糖やハチミツ、かつお節などを一緒に漬け込んで味をつけたもののこと。
調味に用いる素材にはデリケートな性質のものもあり、塩分、水分、酸度のバランスがくずれやすくなることもあります。
また、調味梅干しは塩分が低めになるので、塩だけで漬け込んだものにくらべると、どうしても賞味期限が短くなる傾向に。
とはいえメーカー各社も研究を重ねており、最近の調味梅干しの多くは低塩タイプと同様に、6ヶ月程度の賞味期限が主流となっています。
梅干しは賞味期限が過ぎていても食べられる？食べられない梅干しの見分け方は？
冷蔵庫に隠れてた食品を見つけて「これまだいける？」と迷うこと、あります。そんなとき、みなさんはどうやって「食べられるor食べられない」を見分けますか？ におい？ 色？ 形？
というわけで、つづいての話題は食べられない梅干しの見分け方について。
形が崩れている
梅干しの原料となる梅の実は、キズの有無、皮質、サイズなどを総合的に評価して等級がつけられます。
石神邑で使用する原料梅はすべてA級品。皮が薄く、果肉がやわらかいのが特徴です。見方を変えれば、頑丈ではない、ということ。
乱暴に扱えば崩れてしまうA級品の梅干し。だからこそ石神邑では、お客様のお手元に美しい姿でお届けできるよう、箱詰めなどを手作業で行っています。
品物としては美しい状態を心がけていますが、崩れたり、つぶれたりしてもおいしいのがA級品のすごいところでもあります。
また、崩れた梅干しであっても、ごはんのおともや調理のアレンジへの使用は問題ありません。とはいえ、本来のおいしさを堪能していただくには、形のしっかり整ったものをおすすめしています。
特にA級品の薄皮の質感と、とろけるような果肉を楽しんでいただくには、崩れていないものがいちばんです！
カビが生えている
「自宅で漬けている梅干しに白いカビのようなものが生えてきた」という話を聞くことがあります。これはカビではなく酵母菌の発生と考えられます。
正しくは「産膜酵母」と呼ばれ、塩分濃度の高い環境でも生育できるのが特徴。お酒の発酵にも用いられる菌なので、体に害をおよぼすものではないのですが、放置しておくと腐敗の原因になりえます。
もし酵母菌を見つけたら、その部分を取り除いて少しの焼酎を足し、容器をやさしく揺すってあげることで再発を防げます。産膜酵母は空気のあるところで活動する好気性なので、空気を遮断してあげることも予防のポイントです。
明らかに異臭を
放っている
これはイエローカードです。まずは販売店にお問い合わせを！
異臭のほか、梅干しの場合は「容器が膨張している」「調味液が白濁色になっている」といった現象が腐敗の合図です。
そのような事態に至らないよう、次に紹介する保存方法を参考にしてください。
梅干しの正しい保存方法は？
一般的には、直射日光を避け、常温または冷暗所での保管がおすすめです。ご購入になった梅干しについてはラベル等に記載の「保存方法」も確認しましょう。
開封後は密封できる容器に移し、賞味期限にかかわらず早めにおめしあがりください。
容器から取り出すとき、べつの容器に移し替えるときには、清潔で乾いた採り箸を使いましょう。
冷蔵庫に入れておく
冷暗所といえば、これを超える冷暗所はない。そう、冷蔵庫。
冷蔵庫での保管は密封容器で。庫内では水分が蒸発するので、密封できていないと梅干しがパッサパサに。
「密封できるなら袋タイプの容器でもいいの？」と質問をいただくこともあります。袋タイプだと梅干しがつぶれやすくなるので、箱型の容器をおすすめします。
瓶で保存する方に気をつけていただきたいのは、フタの材質。鉄製のフタは塩分の高い梅干しと相性が悪く、鉄が錆びることがあります。ご注意を。
冷凍庫で保管する
甘めの梅干しを凍らせてシャーベット状にするとおいしいのですが、保管目的ならば冷蔵庫で十分です。 冷凍梅干しを解凍したものでも、おいしいのはおいしいのですが、いったん凍らせると日持ちしないので、その日のうちに食べきるようにしてください。
耐久性のある壺や瓷で保管する
壺や瓷に梅干しを保管していらっしゃる様子をSNSで拝見することがあります。雰囲気があって素敵ですよね。
ただ、壺や瓷は密封できないものが多いので、長期間にわたって梅干しを入れておくと、水分が蒸発してぱさぱさになる可能性も。
梅干しがたくさんあるときには、近く食べるぶんを壺や瓷に移し、残りは冷蔵庫で保管するのがおすすめです。
梅干しの賞味期限と保存方法
まとめ
梅干しの賞味期限と保存方法について、いかがだったでしょうか。
今回の記事のためにあらためて社内スタッフにも調査しましたが、梅干屋としていちばんの願いは、「おいしいうちに、おいしくめしあがっていただきたい」ということに尽きます。
最後に、ちょっとした裏技をひとつ。
当社で販売している「白干梅」や「しそ漬け梅干」は、梅酢や赤梅酢を足すことで水分を取り戻すことが可能です。自宅で漬けられた梅干も同様の方法でやわらかくなるので、乾燥が気になる方は梅酢をおためしください。
そしてそして、梅干しが保存食として本領発揮する「備蓄梅」も石神邑でご用意しております。
こちら、塩分濃度20%の白干梅と塩分濃度8%のうす塩味梅干、いずれもおいしさそのまま、賞味期限1年を実現しています。
自然災害など、もしものときの備えとして、防災袋に備蓄梅を入れておきましょう。
ご用命は石神邑オンラインショップへ。
石神邑おすすめの商品
- ●梅干しに関する情報は石神邑が独自に調べたものです