【専門店監修】はちみつ梅干しの作り方。
今回は、はちみつ梅干しの作り方を紹介します。
甘くておいしいはちみつ梅干しは、おやつやお茶請けにもおすすめです。
一から作る自家製レシピと、既製の白干梅を甘く仕立てるレシピ。どちらも気軽にお試しください。
はちみつ梅干しの作り方
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はちみつ梅干しの作り方
梅干しの写真を見るだけで、人は酸っぱさを感じ、口の中に唾液が出てきます。日頃から梅干しばかり目にしている私たちもそれは同じ。食べてもいないのに酸っぱさが口に広がっていくのだから、本能ってすごいですね。
だけどあるとき、こんな疑問が浮かびました。
「はちみつ梅干しを見ても唾液は出てくるのか?」
だって、はちみつ梅干しは甘い。経験上もそのことをよく知っているので、「これは違うよ、甘い梅干しだよ」って理性が働きそう。そうであれば、はちみつ梅干しの写真を見ても唾液は出ないんじゃないの? このありあまる理性で、本能を出し抜けちゃうんじゃないの?
残念ながら、出ました、唾液。
はちみつ梅干しの甘さを知りながらなお、人の本能は酸っぱさを感じてしまうようです。
負けた……。本能に負けた……。
というわけで本題に入ります。そう、はちみつ梅干しです。
昔ながらの酸っぱい白干梅もおいしいのですが、ときには甘い梅干しも乙なもの。酸っぱさやしょっぱさが苦手なお子様や、塩分が気になるという方にも、安心して召し上がっていただけるという魅力もあります。
石神邑でも「蜜っこ」という名前ではちみつ梅干しを販売しており、多くの方からご愛顧いただいています。
せっかくだから自分で作ってみたい、という方のために、今回は2つのレシピを紹介します。甘いものが大好きという方も、酸っぱいのが苦手という方も、まずはトライ!
はちみつは1歳未満の乳児には与えないで下さい。乳児ボツリヌス症にかかるリスクがあるためです。詳しくは厚生労働省のホームページなどをご参照ください。
梅干し作りの流れ
突然ですが、ここにわかれ道があります。
あなたはどちらのはちみつ梅干し作りに挑戦しますか?
A=完熟梅から作る。つまり、「梅干しそのものから自家製で」のパターン。
B=白干梅を塩抜きして作る。つまり、「しょっぱい白干梅を甘くする」のパターン。
これから梅干しを作ろうかな、というあなたはAパターンでしょうか。いただきものの梅干しがあるけどしょっぱくて食べきれない、というあなたはBパターンでしょう。
それぞれのパターンで、準備するものと作る手順が違ってくるので、まずはどちらで行くかを確かめてください。
(もちろん「石神邑に注文」のCパターンもありますよ!)
それでは、まずはAパターン。「梅干しそのものから自家製で」の準備と手順をご案内します。
【A 自家製梅干しから作るはちみつ梅干し】
材料・用意するもの
- ●完熟(黄色く熟したもの)/ 1kg
- ●粗塩/180g
- ●はちみつ/200g
- ●焼酎/大さじ2
- ●竹串
- ●漬け込み用の容器/ガラス、琺瑯、陶器などがおすすめです。金属製のものは酸や塩分に弱いので用いないでください。
- ●落し蓋/金属製のものは用いないでください。平らなお皿でもOK。
- ●重石/500g。ペットボトルやジッパー付き保存袋などでもOK。
- ●天日干し用ザル/平らなもの。魚干し用の網でも大丈夫です。
- ●ふきん・ペーパータオル
- ●霧吹き(消毒用の焼酎)
【A 自家製梅干しから作るはちみつ梅干し】 手順
よみものVOL.4「梅干しの作り方」もご参照ください。
① 梅を洗い、ヘタをとる
梅の実を水で丁寧に洗い、汚れや雑菌を落としましょう。
洗ったあとは、ふきんやペーパータオルで水気を拭いてください。
梅にヘタが残っている場合は、竹串を用いてやさしく取り除いてください。
② 塩とはちみつで漬け込む
まずは容器や蓋に焼酎を吹きつけて消毒してください。
その後、容器に「梅→塩→梅→塩」と交互に重ねていったら、最後に上からはちみつを入れましょう。
とろっとろのはちみつを、那智の滝のように注ぐのです。あっ。郷土愛が強すぎて和歌山の名所を出しちゃいました。
落差日本一を誇る那智の滝。その水には延命長寿のご利益があると言われています。はちみつも、栄養たっぷりで健康に資すると言われているので、この連想も案外、まとはずれではないかもしれません。
③ 梅酢があがる
容器にすべての材料を投入したら、落し蓋をして、重石を載せて、冷暗所にて漬け込み開始です。
「落し蓋+重石」の用意が難しい場合は、梅にラップをかけ、ジッパー付きの保存袋やペットボトルに水を入れ、梅の上に載せてください。保存袋を用いる際には水漏れを防ぐため2重にしておきましょう。
梅酢があがりはじめたら、はちみつとまざりあうように、2日に1回ほど、容器をやさしくゆすってあげます。
漬け込んで2週間ほどで梅が梅酢に浸かってきたら清潔な密閉容器に入れて冷蔵庫に移し、天日干しできそうな日まで保管してください。
梅酢は腐敗防止になるので、梅全体が浸かるのが理想です。漬け始めてから2週間経っても梅が浸かっていない場合は、市販の梅酢を追加しましょう。
④ 3日間天日干しをする
梅酢が出てきているかどうかのチェックとあわせて、天気予報の確認も忘れずに。晴天が続きそうなタイミングを見計らって、いざ天日干しです。
梅雨が明けたあとの晴天続きを選ぶ「土用干し」が一般的でしょうか。
天日干しするときは、日当たりだけでなく、風通しも良い場所を選びましょう。
晴天の朝、漬け込んだ容器から梅をひとつずつ取り出し、水気を切って、平らなザルに並べていきます。
梅と梅がくっつかないように、適度な距離を保ってください。
まんべんなく日光をあてるためには、ひっくり返してあげる必要があるのですが、梅とザルがくっついていると果皮が破れやすいので、日中は避けましょう。
夕方にザルごと室内に取り込んだあとで、梅をひとつずつひっくり返し、翌日に備えます。そうして朝が来たら再び太陽の下へ。
これを3日間続けると、ほんのりした甘さを楽しめるはちみつ梅干しのできあがりです。
完成したはちみつ梅干しも、清潔な密閉容器に入れ、冷蔵庫での保存をおすすめします。
漬け終えたあとに残る梅酢、そのまま捨てるのはもったいないので、お料理に使いましょう。 たとえば、鶏肉を梅酢に数分間漬け込んでから焼く「梅酢やきとり」。 あるいは、スライスしたきゅうりを梅酢に5分ほど漬けておいて、そこに白出汁を混ぜてつくる「梅酢浅漬け」など。 手軽にパッと作れるので、ぜひお試しください。
【B 白干梅から作るはちみつ梅干し】
材料・用意するもの
- ●白干梅/10粒
- ●水(脱塩用)/梅干しの重さの4倍
- ●はちみつ/100g
- ●水(調味用)/50cc
- ●ボウル/アルミ製のものは用いないでください。
- ●菜箸
- ●ふきん・ペーパータオル
- ●密閉保存容器/金属製のものは用いないでください。
【B 白干梅から作るはちみつ梅干し】 手順
よみものVOL.3「梅干しの塩抜き」もご参照ください。
① 塩抜きする
塩抜きは「梅干し1:水4」の割合で行います。
ボウルに梅干しを入れ、そこに水を注いだら、7〜8時間ほど置いておきましょう。眠る前に塩抜きを開始すれば、目覚めるころに完了している、というイメージです。
塩抜きを終えたら、水から梅干しを出して水気を切ってください。
② はちみつを用意する
つづいて、漬け込み用のはちみつを準備します。
手順はとっても簡単。はちみつ100gと水50ccを鍋に入れて沸騰させるだけです。沸騰したら火を切って、冷ましてください。
ここでは梅干し10粒に対してはちみつ100gを用いていますが、梅干しの量やお好みの甘さにあわせてはちみつを調整してください。
③ 梅干しとはちみつを混ぜる
①で減塩した梅を密閉保存容器に入れます。つぎに②で冷ましたはちみつ液を加え、2〜3日、冷蔵庫で寝かせます。
これだけで、はちみつ梅干しのできあがりです。
減塩して作ったはちみつ梅干しは日持ちしないので、早めにお召し上がりください。
一度にたくさん作るのではなく、数日で食べきれる量を作るのがおすすめです。
はちみつ梅干しの作り方
まとめ
まとめる前に、ひとつおまけのお話を。
はちみつ梅干しと同じく、和歌山で古くから親しまれてきた食べ方のひとつに「砂糖醤油梅干し」があります。塩抜きした梅干しに、砂糖と醤油を1:1で混ぜ合わせたタレをかけて食べる、というもの。こちらも塩分はお好みで調整してください。
梅干しを料理に用いるレシピはたくさんありますが、今回紹介した「はちみつ梅干し」のように、梅干しそのものをアレンジするレシピは珍しいかもしれません。
甘いお菓子が少なかった時代、子どもたちが笑顔で楽しんだはちみつ梅干しは、現代の子どもたちにも大人気です。
「どんな味かな?」と気になった方や、「作る前に食べてみたい」という方は、Cパターン「石神邑に注文」をお試しください!